ボトックス施注資格を取ってみよう

私の病院では、外来で原発性腋窩多汗症に対してボトックス注射を行っています。

ちなみに、皮膚科や美容外科の医師ではありません。何でも屋の総合診療医が行っています。

ボトックス注射を実施するためには、グラクソ・スミスクライン社のWeb講習を受けて資格を得る必要があります。

少しでもスキルの足しになれば・・・と思い、私もやってみることにしました。

はじめに

グラクソ・スミスクライン社の「ボトックス®」は、A型ボツリヌス毒素製剤です。

眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、重度の原発性腋窩多汗症、斜視、 痙攣性発声障害に適応を持ちます。

ちなみに美容外科などで行われるしわ取り注射には、アラガン社の「ボトックスビスタ®」が承認を受けており、メーカーが違うとのことです。

私の病院では、原発性腋窩多汗症に対する注射が多く、ホームページなどを見て来院されるようです。

手技的にはそう難しくはありませんが、注射する部位はしっかりと確認する必要があります。

効果は高い方で、腋窩なら4〜9ヶ月間効果が続くとのことです。

料金

原発性腋窩多汗症に対して行うと、

G017 腋窩多汗症注射(片側につき) 200点

が取れます。大抵、両側腋窩に行うため、合計400点となります。

痙縮などに対して行うと、

L100 神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素使用)
4 眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮又は下肢痙縮の治療目的でボツリヌス毒素を用いた場合 400点

が取れます。複数の筋肉に注射しても400点です。

薬価は、

ボトックス注用100単位 69325円(2018年4月以降)

となかなか高価です。

しかし、2018年3月までは84241円だったため、それよりはかなり安くなっています。

1回あたり、腋窩多汗症には両側で合計100単位、上肢痙縮には合計240単位、下肢痙縮には合計300単位使います。

初診時に処置の説明をして同意書をもらい、再診時に処置を行うとします。

初診料(282点)、再診料(72点)を合わせると一連の診療報酬点数は、754点です。

施術自体は20分あれば終わります。利益はまずまずといったところでしょうか。

保険適応なので、腋窩多汗症(両側)の場合、3割負担なら2万4000円くらいになりますね。

Web講習・実技セミナー

グラクソ・スミスクラインのサイトで無料で受けられます。

資格取得のための講習・実技セミナー

ここからWebセミナーを申し込みます。

受講希望コースのチェック欄がありますが、とりあえず私は全部チェックしておきました。

すると数日後にID、パスワード、URLが記載されたメールが届きます。

ログインすると、申し込んだコースが受講できます。

一つのコースあたり、30分〜1時間くらいかかります。

内容はかなり丁寧で、実際の使用手順まで詳しく説明されています。

そして講義セクションの終わりに、「まとめ」と称する選択問題に解答します。

この中で、「上肢痙縮、下肢痙縮」のコースだけ「まとめ」がとても多く、しかもなぜかこれだけ全問正解しないと次にいけないため時間がかかります。真面目にやりましょう。

それ以外のコースは、問題の数も少なく、いくつか間違えても次のコースへ進むことができます。

被っている内容もけっこうあり、だんだん飽きてきますが、一気にやれば半日で終わるでしょう。

コースを修了してしばらくすると、受講修了証が勤務先に届きます。

これでボトックス治療ができるようになります。

まとめ

半日あれば終わるので、ボトックスのWeb講習を受けてみませんか。

もしかしたら何かの足しになるかもしれません。

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