医師の給与は将来増える見込みはない

将来、医師の収入は今よりも確実に減っていきます。

医師の将来の給与について少し分析してみました。

はじめに

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2018年)」のデータによると、勤務医の平均年収はおよそ1200万円と推定されます。低く感じるのは、これは非常勤の給与が含まれていないからでしょうか。

一方、高齢化社会により、2018年度の医療費は42兆6000億円となり過去最高を更新しています。そのため財務省はなんとか医療費を抑えようとしています。

薬価はもちろん、人件費に直接つながる本体部分も抑制する流れになっています。

将来、医師は忙しく稼げない職業になるのでしょうか。歯科医師の後を追うことになるのでしょうか。

少しでも将来のことをイメージできるように、医師の収入について考えてみました。

収入が減る6つの理由

医師数の増加

医師の需給推定(暫定)
出典:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会第19回医師需給分科会資料」(2018年)

赤線(供給推計)が医師数です。角度的に2050年くらいまでは増え続けるでしょうか。それに対し、患者数(需要推計)は2030年を境に減少していきます。

2024年ごろには医師は充足し、2040年には医師過剰になる見込みです。

条件の良い職場はあったとしてもすぐに充足します。条件が良くなくても医師が働いてくれるようになると、それが一般化します。そして、常勤が増えるとアルバイトを雇う必要はなくなります。

また、今後は女性医師も増え続け、子育てをしながら非常勤で働く医師が増えます。

転職サイトには良い条件のアルバイトは出なくなるでしょう。数年前と比較し、すでにその兆候は出ているような気がします。

収入が増える要素はありません。

業務の効率化

現在国が積極的にすすめる遠隔診療やAIなどの利用、看護師へのタスクシフトにより、業務の効率化が進むと、必要な医師数は推計よりさらに減ります。

特定行為ができる看護師を雇い、医師数は最低限に抑えられるでしょう。

収入が増える要素はありません。

人口減少

人口に伴い、患者数が減っていきます。

受け持っている外来患者、入院患者ともに今より減った状態を想像してみてください。

収入が増える要素はありません。

診療報酬の抑制

財務省は、今後診療報酬を抑制していく方針を明らかにしています。薬価だけでなく、人件費に直接つながる本体部分も抑制する流れになっています。

また、75歳以上は現行の1割から、2割負担へ増額されるかもしれません。患者の負担が増えると、受診を減らそうと思う人が増えるでしょう。また、高い先発薬はやめてほしい、検査は最低限にしてほしいと思う人も増えるかもしれません。

追い討ちをかけるのがリフィル処方箋です。これは処方箋一枚で繰り返し薬局で薬をもらうことができるようになるというものです。現在はまだ検討中のようですが、もしこれが可能になると、外来患者数が激減します。

今まで1〜3ヶ月間隔で受診していた患者が、リフィル処方箋により例えば12ヶ月間受診する必要がなくなるとなると、再診患者数が単純計算で1/12〜1/4にまで減少します。内科クリニックは経営難で大量閉鎖されるでしょう。

患者の単価、数ともに減ります。

収入が増える要素はありません。

働き方改革

一般企業では、2019年4月から働き方改革が行われています。時間外労働ができなくなったことで、収入が減った方が多いと聞きます。

医師の場合、2024年4月から時間外労働時間の上限は原則は年960時間となり、地域医療確保の暫定特例水準(B水準)や集中的技能向上水準(C水準)では、特例として年1860時間が認められることとなります。

時間外労働で稼いでいた医師は大幅に収入が減ります。

また、収入と労働時間が減った医師はアルバイトを探し始めます。良い条件のアルバイトの取り合いがさらに加速していきます。

物価の上昇

消費者物価指数(2015年=100とした時、1947年~2018年の年平均)
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構 早わかり グラフでみる長期労働統計

近年はバブル崩壊(1990年代)、リーマンショック(2008年)などでデフレが長引いていました。しかし、基本的に物価は2%上昇を目標にされており、長い目で見ると必ず物価は上昇していきます。

ここ数年間においても、「シュリンクフレーション」と言われるいつの間にか容量が減っている商品が多くなっています。

給与が同じであったとしても、物価が上昇すると相対的に収入が減ることになります。

まとめ

日本の医師には暗い未来しかないのでしょうか。解決策はないのでしょうか。

その答えを追求つつ、今のうちに着実に小銭を稼いでおくのが私のやり方です。

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