2019年5月1日から元号が「令和」に変わりました。
改元により医師へ何か影響があるのでしょうか。
医師も令和ビジネスに乗っかることができるのでしょうか。
そのあたりを検討してみました。
目次
はじめに
「令和」という言葉は、万葉集の一文が出所となっています。
ー書き下し文ー
ときに、初春の令月にして、気淑よく風和やはらぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。
ー現代日本語訳ー
時は初春の令い月(※この場合『令』は“物事のつやがあるように美しい”の意)であり、空気は美しく、風は和やかで、梅は鏡の前の美人が白粉で装うように花咲き、蘭は身を飾る衣に纏う香のように薫らせる。引用:「令和」(2019年5月2日 (木) 08:16)『ウィキペディア日本語版』
この改元により、世間は令和フィーバーでお祭り騒ぎとなっています。
それに便乗した令和ビジネスも多数出現しています。経済効果としては、専門家はだいたい1兆〜3兆円あたりと試算しているようです。金額の幅がありすぎますが、とりあえず金額が大きいことがわかります。
私たちの医療業界との関係性はどうでしょうか。今のところ私の勤務先では、死亡診断書の元号が「令和」に変わったのが置かれるようになった程度で、あまり実感はありません。
1兆〜3兆円と言われる経済効果は我々の業界とは全く無縁なのでしょうか。全て我々から出ていくお金なのでしょうか。
令和ビジネスとは
1兆〜3兆円の経済効果とはどういうものを表すのでしょうか。ざっと挙げてみます。
令和グッズに関するもの
「令和」と書かれた食べ物・飲み物・食器・衣類・雑貨など
平成の空気缶(1缶1080円)
平成最後の日の年越しそば
転売(令和初日の日付けの御朱印帳、令和入りのドメイン)
新元号発表からわずか2時間で配信されたゴールデンボンバーの新曲
※なお、商魂たくましい中国でも「令和」を含む商標登録が千件以上に達しているようです。
10連休に関するもの
旅行業界、外食産業、小売業の令和セール
婚礼(平成駆け込み婚、令和婚)
令和詐欺
元号を理由に「キャッシュカードを返送してほしい」「職員がカードを預かる」などと言ってお金を騙し取ろうとする詐欺
令和への改元による医療業界への影響
休日加算
改元に伴う10連休により医療機関では、休日加算がかかる場合があります。
10連休中に受診した全患者に加算されるわけではありません。
・休日加算について一般の医療機関では、診療応需体制にある場合は算定できません。 算定できるのは、急病などやむを得ない場合で、診療応需体制を解いている休診日、あるいは診療日の時間外です。
一方、診療時間内の受診でも算定できる場合が規定されています。客観的に休日における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる医療機関ということで、地域医療支援病院、救急病院・救急診療所、休日当番医・輪番制などが規定されています。
したがいまして、今般の連休期間の休日診療体制に参加いただける医療機関につきましては、休日加算の算定が可能ですが、単に医療機関の判断のみで連休期間に診療を行っても、従前のとおり休日加算の算定は不可となります。
引用:日本医師会 10連休等の長期連休における休日加算等の取扱いについて
休日加算は初診には+250点、再診には+190点となります。
令和ビジネスではありませんが、改元に伴う医療機関への経済効果とはこの加算分が該当することになります。
システム変更
電子カルテ、レセプト請求、書類などで、情報システムに変更が必要となる場合があります。多少は手間がかかるかもわかりませんが、それで大幅に費用がかさむということはないかと思われます。
医師ができる令和ビジネス
医療業界の収入は、診療報酬制度に基づくもののため、基本的には令和ビジネスでは稼ぐというのは難しいと思われます。
しかし、少しは便乗することが可能です。
それは、医療法人、病院名に「令和」をつけることです。
現在、医療法人では平成会、平成〇〇会、病院名では〇〇平成病院、〇〇平成記念病院など、「平成」を含む名前が多く存在します。同様に今後は、医療法人令和会、令和〇〇会、〇〇令和病院、〇〇令和記念病院などが増えていくことでしょう。
ただし、同じような名前が増えていくということは、他との取り違えや紛らわしさが生じ、競争が生まれる可能性があります。「令和」をつけることで稼げるか稼げないかは結局は自分次第なので、よく考えてからの方がいいと思います。
まとめ
医師の先生方も「令和」への改元に乗っかって稼ぐ方法を考えてみてはいかがでしょうか。