【税理士に聞きました】稼いだポイントは確定申告しなければならない

複数の医師ポイントサイトでポイントをためていると、年間でかなりのポイントを稼ぐことができます。

毎日がんばると、年間数十万円稼げてしまうかもしれません。

そのポイントに対する税金はどうなっているのか、確定申告は必要なのかを税理士に聞いてみました。

はじめに

このサイトで紹介している医師ポイントサイトは10個あり、それぞれのサイトで専用のポイントやお金を獲得できます。

また、医師向けではなく一般向けのポイントサイトもたくさんあります。楽天ポイント、Tポイント、WAONポイント、マイレージ、交通系カードのポイント、ご近所のスーパーのポイント・・・と数え切れないほどです。

医師ポイントサイトだけでも合計すると、年間にかなりのポイントを稼ぐことができます。毎日しっかりとポイントを稼いでいる先生なら、使い切れないほどのAmazonギフト券がたまっていることでしょう。

結論から言うと、残念ながらポイントには税金がかかり、しかも確定申告が必要である先生が多いです。

私はこの事実を知ってから全てのポイントサイトについて確定申告を行うようにしました。

ポイントに対する課税

まず、国税庁のホームページからポイントに対する課税についての記載を引用します。

企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について

3 結論

ポイントの法律関係は、少なくともポイント付与の元になった取引きとは別の何らかの給付を、対価を支払うことなく請求できる権利が付与されたものであると捉えることが適当であり、課税されるべき経済的利益にあたる。
ポイントプログラムの法律関係は贈与契約といえるが、贈与の目的物はポイント保有者の意思表示(請求等)によって初めて確定するという停止条件付贈与契約であり、さらに、請求等によって停止条件が成就するまでは、ポイント付与者に解除権等が与えられているという契約関係といえる。
停止条件付贈与契約であるので、停止条件の成就、すなわち、ポイントが実際に使用された時に贈与契約は効力を生じ、その時点で課税されるべき所得となると考えられる。
所得区分に関しては、多くの場合は法人からの贈与として一時所得となるが、業務に関連して取得したポイントについては事業所得等に、役務提供の対価として獲得したポイントについては雑所得となる。その結果、所得区分の異なるポイントが合算された後に使用された時、どの所得区分のポイントが使われたかを決定してそれに応じて申告をするというのは困難な場合も多いであろうと思われる。
それでも、一時所得については、一時所得の特別控除額によって、ほとんどの納税者は申告する必要は生じないであろう。そのため、事業所得等となる場合のポイントの記帳方法が定着すれば、実務上の困難の多くは解消すると思われる。

・・・長くてわかりにくいので、これをそのまま簡単な言葉に変えてみます。

ポイントには税金がかかります

ポイントをもらった時ではなく、実際に使った時に税金がかかります。

ポイントはほとんどの場合「一時所得」ですが、仕事で獲得したポイントは「事業所得」、何かを行った対価として獲得したポイントは「雑所得」です。

そのため、所得区分(一時所得、事業所得、雑所得)が違うポイントが混ざると、どの所得区分で税金を払うべきか判断が困難です

ただ、一時所得は50万円まで税金がかからないため、ほとんどの人は確定申告する必要はありません。

事業所得となるポイントの記帳方法が定着したら、わかりやすくなるでしょう。

医師ポイントサイトでは、ポイントをAmazonギフト券などに交換した時に税金がかかります。

一般サイト(楽天、WAON、Amazon・・・など)のポイントは、法人からの贈与という認識から一時所得であるものが多く、なかなか50万円も獲得できないため確定申告が必要ないことがほとんどです。

しかし、医師ポイントサイトの場合は話が違ってきます。

医師ポイントサイトはアンケートで稼ぐものが多いため、「ポイントサイト」ではなく「アンケートサイト」として考える必要があります。(厳密に言うと、ポイントサイトとアンケートサイトが混じっています。)

アンケートモニターの謝礼でポイントが付くのと、楽天などで買物をしたときに割引的な意味合いでポイントが付くのでは性質が違います。

そして、「アンケート 確定申告」で検索すれば、確定申告をしなくて良いなんて書いてあるホームページはありません。

医師ポイントサイトのポイントの所得区分

医師ポイントサイトで稼いだポイントは「一時所得」と「雑所得」の所得区分が混ざっています。

仕事としてポイントを稼いでいる医師はほとんどいないため、「事業所得」となる場合は限定的です。(事業所得と認められるためには、医師の仕事以上の時間や労力をかけたメインの仕事である必要があります。)

ポイント獲得方法による所得区分

ポイントの獲得方法により所得区分が異なります。

・アンケート・インタビュー調査:役務提供の対価として付与されるポイントには対価性があるため「雑所得」となります。

・Web講演会・薬剤情報(MR君やeディテーリング)・症例相談:自己学習・情報収集のために動画閲覧や投稿をした結果、目的とは別の経済的利益を与えられる行為となります。つまり、法人から消費者への贈与契約であることから、所得税基本通達 34-1(5)「法人からの贈与により取得する金品 (業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く。)」に該当し、「一時所得」となります。

自分の学習のためにページを見た結果、ポイントがもらえたという認識です。

ただし、ポイントを得るためにページを見たと捉えられると「雑所得」とされてしまう可能性も否定はできません。

・紹介キャンペーンポイント:役務提供の対価として付与されるポイントには対価性があるため「雑所得」となります。

・m3.com会員サービス:物品等の購買を起因として、目的とは別の経済的利益を与えるという、行為となります。つまり、法人から消費者への贈与契約であることから、所得税基本通達 34-1(5)「法人からの贈与により取得する金品 (業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く。)」に該当し、「一時所得」となります。

サイト毎の所得区分(Web講演会・薬剤情報を一時所得と考えた場合)

・プラメド:「アンケート」でポイントを獲得します。全て「雑所得」となります。

・エムスリー:「MR君・Web講演会」>「アンケート」>「m3.com会員サービス」でポイントを獲得します。「一時所得」>「雑所得」となります。

・ケアネット:「eディテーリング・Web講演会」>「アンケート」でポイントを獲得します。「一時所得」>「雑所得」となります。

・メドピア:「医療情報ヘッドライン・Web講演会」>「アンケート」でポイントを獲得します。「一時所得」>「雑所得」となります。

・エスマックス:「アンケート」でポイントを獲得します。全て「雑所得」となります。

・MCI:「アンケート」でポイントを獲得します。全て「雑所得」となります。

・日経メディカル:「eディテール・Web講演会」>「アンケート」でポイントを獲得します。「一時所得」>「雑所得」となります。

・メディカルトリビューン:「Web講演会」>「アンケート」でポイントを獲得します。「一時所得」>「雑所得」となります。

・IQVIA:「アンケート」でポイントを獲得します。全て「雑所得」となります。

雑所得に対する課税の注意点

雑所得が、「20万円以下なら申告不要」となるのはアルバイトを一切していない年収2000万円以下の勤務医のみです。

勤務医(給与所得者)で雑所得が20万円以下であったとしても、以下の条件に当てはまる先生は確定申告が必要になります。(雑所得の有無にかかわらず、もともと確定申告をする必要がある場合はポイントサイトの確定申告が必要です。)

・給与2000万円を超えている
・2ヶ所以上から給与をもらっている
・医療費控除等を受ける
・住宅ローン控除を受ける など

つまり、プラメドやエムスリーでアンケートに回答していて、一ヶ所でもアルバイトをしているような勤務医の先生は、稼いだポイントに関わらず確定申告が必要となります。

おそらく雑所得を申告しなければならない先生はかなり多いと思います。

一時所得に対する課税の注意点

一時所得は、50万円以下なら税金がかかりません。

しかし、ここにも注意点があります。

ふるさと納税の返礼品、Go To キャンペーン事業における給付金、生命保険の満期保険金、マイナポイントなども一時所得の扱いとなるため、ポイントサイトからの一時所得と考えられる分と合わせて50万円を超えてしまうと課税されてしまいます。

例:ふるさと納税84万円(年収2500万円ほど)→返礼品3割と換算すると一時所得は28万円
Go To トラベルで一泊4万の部屋に5泊→旅行代金の1/2の補助金となり、一時所得は
10万円
エムスリー、ケアネット、メドピア、日経メディカルで合わせて月2万円(年間24万円)→2/3を一時所得とした場合、16万円
マイナポイント→一時所得は5000円

これで一時所得が合計54.5万円となり、確定申告が必要となります。

特に生命保険の満期保険金が入る年は50万円を超える可能性が高く、注意が必要です。

雑所得を確定申告する実際の方法

収入の計算

全てのポイントサイトについて、1年間にポイントを使用してAmazonギフト券や商品に交換した日付・金額を見ていきます。

全てのサイトで、「ポイント交換履歴」のリストが見れるようになっているので、それを見て足し算していきましょう。

※ m3やMCIは過去1年間分しか履歴が残りません。全てのサイト分、印刷して手元に取っておくことをお勧めします。

※ ギフト券ではなく聴診器などの商品に交換した場合は、使用したポイント数からその商品の価値を計算します。

上にまとめた「サイト毎の所得区分」を参考に、全て雑所得の場合は稼いだ金額の100%、一時所得と雑所得が混ざっている場合は、稼いだ金額に、雑所得として稼いだであろう割合を掛け算します。

ただし、管轄の税務署によって、Web講演会や薬剤情報確認による所得は全て雑所得であると言われたり、一時所得と雑所得の区別がつかない場合は全て雑所得とされることもあるかもしれません。

確定申告所等作成コーナーで入力する際、雑所得で入力し、種目は「その他 ポイント」、業務に該当しますかは「いいえ」とします。

所得の生ずる場所と報酬などの支払者の氏名・名称は、ポイントサイトのだいたい一番下にリンクされている「企業情報」「会社概要」に書いてあります。「本社の住所」「株式会社〜」を入力しましょう。

経費の計算

そしてポイントサイトでポイントを貯めるのに使った経費を申告します。

1年間で使ったインターネット代、パソコン代、スマホ代、通信料金、電気代のうち、医師ポイントサイトを稼ぐためにそれを使用している割合をかけたものを経費として落とします。

こちらの割合も税務署から問われたときに説明に困らない常識的な範囲の割合としましょう。(プライベートで使用する割合の分は経費に入れないようにしましょう。)

「複数の収入にまたがる必要経費がある場合、まとめて入力することができます。」と記載があるため、どれか1つのポイントサイトにまとめて必要経費を入力すればOKです。一番収入の多かったポイントサイトにまとめて入力しましょう。

まとめ

ポイントに対する税金はかなり複雑です。

しかし、調べれば調べるほど稼いだポイントを確定申告しなくて良い理由なんてないことがわかります。

これまで税務調査をされたことがない人も、ただ泳がされているだけかもしれません。数年経って、延滞税や過少申告加算税が貯まってきたところで税務署からお声がかかる可能性があります。

ポイントサイトの企業は、経費として医師へギフト券を贈っています。企業に税務調査が入ると、ポイントを稼いでいる医師の個人名が判明してしまいます。その流れで医師へ声がかかる可能性があります。

ポイントについては、企業は税務署に支払調書の提出はしていませんが、だからと言って確定申告をする必要がないことにはなりません。

なお、こちらの記事はあくまでも一税理士の見解であり、全ての例に当てはまるものとは限りません。

個々の例については税務署や税理士に相談することをお勧めします。

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